研究室代表の横谷謙次の研究成果が楽待にて公開されました。
- yokotaniresearch
- 2025年11月20日
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研究室代表の横谷謙次の研究成果が楽待にて公開されました。
研究成果の主な内容は下記です。
背景
パチンコ店などに置かれている遊戯機は、人々にギャンブルによる被害をもたらし、公衆衛生の観点からも問題になっています。本研究では、ギャンブルの場としてのパチンコ店に注目し、その影響として「お金を得ることを目的とした犯罪」が増えるかどうかを調べました。具体的には、パチンコ店の近くで、出店前と比べて、出店中や撤退後の時期に金銭目的の犯罪が増えるかどうかを検証しました。
方法
約6年半分の犯罪記録データと、同じ期間のパチンコ店の出店日・撤退日の情報を用いました。あわせて、日本全国のコンビニ、ボウリング場、とその地域の公示地価のデータも利用しました。分析の中心となる指標は、「1日あたりに発生した金銭目的の犯罪件数」です。パチンコ店から半径0.5km以内、0.5〜1km、1〜5km、5〜10kmの範囲ごとに犯罪件数を集計しました。また、パチンコ店の「出店前の期間」「出店中の期間」「撤退後の期間」を比べました。さらに、近くにあるコンビニの数やパチンコ店の数も、結果に影響する要因として統計モデルに入れました。分析には、分散分析(ANOVA)や共分散分析(ANCOVA)といった統計手法を用いました。また、「パチンコ店が新しく出店した地域」と「出店しなかった地域」、「パチンコ店が撤退した地域」と「撤退しなかった地域」とを比較する『差の差分析(Difference-in-Differences)』も行い、金銭目的の犯罪の増加を詳しく調べました。
結果
1日あたりの金銭目的の犯罪件数は、パチンコ店から0.5〜1kmおよび1〜5kmの範囲で、0.5km以内や5〜10kmよりも有意に多いことが分かりました。また、近くのコンビニの数や近くのパチンコ店の数を統計的に調整しても、パチンコ店の「出店中」や「撤退後」の期間は、「主って円前」の期間と比べて金銭目的の犯罪件数が有意に高いままでした。特に「詐欺」の発生件数は、パチンコ店の出店や撤退に伴って増える傾向が見られました。
結論
パチンコ店から0.5〜1kmおよび1〜5kmの範囲で、金銭目的の犯罪件数が最も高くなっていました。また、パチンコ店が出店するとその近隣で金銭目的の犯罪が増え、その影響は撤退後の期間にも続くことが示されました。このことから、パチンコ店は、その企業活動によって、周辺地域の若者を詐欺などの加害者にし、高齢者を被害者にしてしまうという意味で、「地域社会に害をもたらす存在」と考えられます。今後の研究では、同様の結果が得られるかどうかを、公的な犯罪統計データを用いてさらに検証する必要があります。
この論文の原本はこちらです。
Yokotani, K., Abe, N., Yamamoto, T. et al. Effect of pachinko parlour openings and closings on neighbourhood income-generating crimes in Japan: 6.5 years of observations. BMC Public Health 24, 1905 (2024). https://doi.org/10.1186/s12889-024-19373-1












































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