長寿と夫婦関係
一般的に結婚生活を維持している人はそうでない人と比べて長生きし易いというデータがあります。
アメリカで1910年生まれの人を80年以上追跡調査した結果では、再婚している男性は結婚を継続している男性よりも死亡率が高いと出ています。[1]
また、現在離婚や別居をしている人は男女共に現在結婚している人よりも死亡率が高いというデータがあります。[1]
ここから、離婚や別居のストレスが生存に悪影響を与えると考えられます。
スウェーデンの心疾患の患者を対象にした調査では、夫婦間のストレスが患者の予後を悪くしているという結果も指摘されています。[2]
また、別の研究では、男性(平均48.5歳)の場合、年齢や血圧や体重や喫煙歴などを統制してもなお、結婚している人は結婚していない人よりもその後10年間で死亡する確率が50%ほど低いとされています。[3]
こういった研究から概ね、結婚生活は男性の方に利益を与え易いと考えられています。
ただ、人間の婚姻データは基本的に実験計画する(ランダムに結婚をする人と結婚をしない人を分ける)ことは無理なので、結婚が及ぼす影響(因果関係)は、実際のところかなり不明瞭です。
そのため、ふーんという程度で流していただければ幸いです。
夫婦間ストレス対処トレーニング(CCET)
http://japaneseccet.azurewebsites.net/
参考文献
[1] Tucker, J. S., Friedman, H. S., Wingard, D. L., & Schwartz, J. E. (1996). Marital history at midlife as a predictor of longevity: alternative explanations to the protective effect of marriage. Health Psychology, 15(2), 94.
[2]Orth-Gomer, K., Wamala, S. P., Horsten, M., Schenck-Gustafsson, K., Schneiderman, N., & Mittleman, M. A. (2000). Marital stress worsens prognosis in women with coronary heart disease: The Stockholm Female Coronary Risk Study. Jama, 284(23), 3008-3014.
[3]Eaker, E. D., Sullivan, L. M., Kelly-Hayes, M., D’Agostino Sr, R. B., & Benjamin, E. J. (2007). Marital status, marital strain, and risk of coronary heart disease or total mortality: the Framingham Offspring Study. Psychosomatic medicine, 69(6), 509-513.