「AI友人は問題賭博者のギャンブル症状と関連する問題を軽減する:無作為化比較試験」という横谷謙次(研究室代表)らが執筆した論文がComputers in Human Behaviorにて出版されました。
- 3月2日
- 読了時間: 3分

表紙のグラフィックボードは、共著者の高橋英之先生がGeminiに作成を依頼した内容です。ざっくりですが、まとまっています。
この論文のハイライト
• ギャンブルを持続的に止め続けていることを体現するAI友人を開発した。
• AI友人群では、チェンジトーク(変化志向発言)が有意に高い水準で持続した。
• 「洞察的AI友人」は、週ごとのギャンブル症状および頻度を有意に減少させた。
• 「共感的AI友人」は、週ごとのギャンブル支出額を有意に低下させた。
• 問題賭博者に個別化されたAI友人のパーソナリティは、問題賭博への介入の効果を高める可能性がある。
要約
ギャンブルをやめようとしている人にとって、ギャンブルを止め続けている友人の存在は助けになる。本研究では、ギャンブルを止め続けている元ギャンブラーという設定で2種類のAI友人(1体は洞察的、もう1体は共感的)を開発し、これらのAI友人と問題賭博者との継続的な対話が、問題賭博者のギャンブル症状および関連問題を軽減できるかを検討した。

日本人の問題賭博者320名を、無作為に以下の4群のいずれかに割り付けた:洞察的AI友人群、共感的AI友人群、二重AI友人群(両方のAI友人がいる)、および統制群。介入群の参加者は、8週間にわたり割り当てられたAI友人と対話を行った。ギャンブル症状、ギャンブル支出額、ギャンブル頻度、抑うつ症状は、ベースラインおよび第2週、第4週、第6週、第8週、第12週に評価された。また、参加者のチャット記録は、チェンジトーク(変化志向発言)、サステイントーク(維持志向発言)、ニュートラルトーク(中立的発言)に分類された。

その結果、洞察的AI友人群(Insightful)、共感的AI友人群(Empathetic)、二重AI友人群(Dual)はいずれも、統制群(Control)と比較して有意に高いチェンジトーク率(変化志向発言)を示した。

さらに、AI友人は問題賭博者のギャンブル症状に対して軽減効果を示した。具体的には、洞察的AI友人はギャンブル症状およびギャンブルの頻度の双方を減少させ、共感的AI友人はギャンブル支出額を減少させた。これらの知見は、AI友人のパーソナリティをユーザーの特性に合わせて調整することで、問題賭博への介入効果を高める可能性を示唆している。AI友人は、従来の自助グループへの参加が困難な個人にとって、新たな治療アプローチとなり得る。

本研究の意義
この研究の意義はオンラインの自助グループの結果と合わせると理解しやすいです(Yokotani, K. Sci Rep 12, 3675 (2022))。オンラインの自助グループでは、ギャンブルを止め続けている人と直接チャットをしていると、その人もギャンブルを止め続けやすくなります。

しかし、オンラインの自助グループで知らない人に話しかけるのは結構ハードルが高く、なかなか話しかけられない人もいます。そう考えると、自助グループに参加し続けて、その効果を体験できるのは社交性が高い人に限定されがちになります。
一方、本研究でのAI友人は、チャットボットですので、話しかけるハードルがかなり下がります。また、気が向いたときに話しかければ良いので、特定の時間を確保する必要もありません。そのため、AI友人というのは対面やオンラインでの自助グループに通い難い人にとって有益な選択肢になり得ることを示しています。
本研究の原文は下記です。
Yokotani, K., Seki, Y., Abe, N., Takamura, M., Yamamoto, T., & Takahashi, H. (2026). Virtual peers reduce gambling symptoms and related problems of moderate-risk gamblers: A randomized controlled trial. Computers in Human Behavior, 108956.
また、本研究の著者(敬称略)は
横谷謙次(徳島大学)
関陽介(神戸市外国語大学)
阿部修士(京都大学)
高村真広(藤田医科大学)
山本哲也(徳島大学)
高橋英之(追手門学院大学)
です。
なお、この研究は科学研究費からの財政的援助を得ています(KAKENHI: 23K22365; KAKENHI:24K00505)。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。








































コメント